《教職員向け》多様性から目を背けない学校環境のために
2018年10月17日に埼玉県高等学校図書館研究会に呼んでいただいて、「多様性から目を背けない学校環境のために」というタイトルで講演をしてきました。以下が、講演の内容に加筆修正したものとなります。
実際の講演ではもっと余談やプチエピソードなどがありましたが、必要なもの以外は省略しています。(必要じゃない話をしたのかよというツッコミはなしで……w)
みなさんこんにちは、講師のマサキチトセです。
プリントのプロフィール欄にこれまで書いた文章のタイトルが並んでいます。それぞれのタイトルからもおわかりになると思いますが、私は「複合差別」と呼ばれるものに大きな関心をもっています。
複合差別とは、例えばLGBTと貧困だったり、LGBTと民族差別だったり、LGBTとセックスワーク ——いわゆる「売春」「買春」「援助交際」——だったり、単一の軸で説明しきれない差別の問題のことです。
プロフィールにはさらに〇〇大学とか〇〇大学院とか書いてありますが、皆さんにも子供の頃があったように、私もかつては栃木県佐野市の〇〇中学校に通うバイセクシュアル当事者の生徒でした。
幸運なことに学生当時はそんなに悩みを抱えてはいなかったんですが、やはり当事者としてこれまで生きるなかで、たくさんの嫌な思いをしてきました。
その中の一つで強烈に覚えているのが、成人式で再会した部活の顧問に「よう、これになったか?」と手の甲を反対側の口の端に当てるジェスチャーをされたことです。
体が熱くなるほど怒りを感じました。
今でも「この野郎だけは絶対に許さない」と今でも思っていて、いつか名指しで告発してやろうと思っているんですが(笑)、同じようなジェスチャーって、他の人からもたくさんされたことあるんですよ私。例えばいま私はお店をやってるんですけど、そこのお客さんにされることもあります。
でもまぁ、鼻で笑って済ませられるくらいには慣れてるんですね。
もちろん慣れてるということはそれだけ傷ついてきたということでもありますけれど、じゃあどうして部活の顧問にはあんなに強い怒りを感じたんだろう、と。
それで、気づいたんです。
私、中学校のときからその先生は嫌いだったんだって。
はなっからその人のことを信頼なんてしていなくて、だからあんなに怒ったんだって。