来て!10月19日(日)の午後〜夜、上野でクィアカフェ&バー営業します

自分をクィアだと思う人もそうでない人も関係なく、この世の中でなんとなくみんなが意識させられてる性の決まりごとについて疑問の心を持つ人だったら誰でも大歓迎です。
瀬戸マサキ 2025.10.03
誰でも

先日の NOISIE LOUNGE にお越しくださった皆様、ありがとうございました。これまでお会いしたことはなかったけどずっと私の文章や動画を見てくれていたという人たちとお話ができて、とても楽しかったです。(文字起こしをベースにした記事が NOISIE サイトにて出る予定です。当日来れなかった方はそちらをお楽しみに!)

実はまた対面のイベントを行うことになりました。今月の19日、日曜日の午後15時から夜22時まで、上野の SELF というお店で『クィアカフェ&バー』をやります

普段の SELF は「ろう者と聴者のスタッフで接客する手話を公用語化したバー」というコンセプトのお店です。私も時々お邪魔させていただいていますが、スタッフもお客さんも皆さんフレンドリーで、とても良い雰囲気のお店です。

コの字のカウンターなので、コミュニケーションもとりやすく、「あぁこんな場所でイベントやりたいなあ」と思って今回の話を持ちかけてみたところご快諾いただき、実現することになりました。

イベントのテーマはシンプルに「クィア」です(画像の下で、クィアについて説明します)。自分をクィアだと思う人もそうでない人も関係なく、この世の中でなんとなくみんなが意識させられてる性の決まりごとについて疑問の心を持つ人だったら誰でも大歓迎です

ALT: [暖色の照明で暗めに照らされたバーの店内の写真] 10月19日(日) 15時〜22時 Queer Café & Bar @上野7-10-5シャトウ上野ビル3階 SELF 飲み放題1時間1,500円(ノンアルコールあり)[SELFロゴ] 1日マスター[瀬戸マサキのプロフィール写真、黒いジャケットに黒いマフラー、ベティちゃんの白のインナー、髪型はミディアムの黒髪、少し目線がカメラから外れている] 瀬戸マサキ ライター。ジェンダーやセクシュアリティと他の様々な社会問題が交差するところについてよく書いたり講演したりしています。バイセクシュアル当事者。日本語・英語の対応可。手話勉強中。

ALT: [暖色の照明で暗めに照らされたバーの店内の写真] 10月19日(日) 15時〜22時 Queer Café & Bar @上野7-10-5シャトウ上野ビル3階 SELF 飲み放題1時間1,500円(ノンアルコールあり)[SELFロゴ] 1日マスター[瀬戸マサキのプロフィール写真、黒いジャケットに黒いマフラー、ベティちゃんの白のインナー、髪型はミディアムの黒髪、少し目線がカメラから外れている] 瀬戸マサキ ライター。ジェンダーやセクシュアリティと他の様々な社会問題が交差するところについてよく書いたり講演したりしています。バイセクシュアル当事者。日本語・英語の対応可。手話勉強中。

大昔(2013年ですって…12年前…)に書いた「生活保護とクィア」という拙稿(自分の書いた文章という意味です)から引用します。

「クィア」という言葉は、もともと「奇妙な」という意味が転じて「変態」「性的に倒錯している」といった意味で使われ出した英語の “queer” を、日本語風に読んだものです。 “queer” は、とくに男性同性愛者に対しての非常に強い侮蔑語で、言われたときのショック度で言えば日本語の「キモいホモ野郎」と同じくらいにはショックな言葉です。しかしあるときから、この言葉をあえて自称のために使う人たちが現れました。その背景には、1980年代米国のエイズパニックがあります。

当時エイズは “gay cancer” (ゲイのガン)と呼ばれ、政府が責任を持つべき公衆衛生上の問題ではなく、ゲイ男性のライフスタイルの問題・自己責任の問題であるとされていました。周りで毎日のように死者が出ているのに何もしてくれない政府に対し、HIV感染の危険が高かったゲイ男性や黒人、貧困層の人々や売春に従事している人々たちが、エイズ運動を起こします。エイズ運動は、「レズビアン」や「ゲイ」といった個々の集団ではなく、人種、階級、職業をまたいだ連帯を可能にしました。この結果、すでに多くが命を失ったあとですが、1987年にようやくレーガン政権がこの問題に着手し始めることになります。

「性に関して少数派の位置に置かれていることで、国や地域、家族、友人などから見殺しにされるのはおかしい」―― そういう思いが、米国の性的マイノリティを中心として広がって行きました。そんななかで、性に関する規範がときには人を殺してしまうということに意義を申し立てる態度として、「クィア」という言葉が使われるようになります。「変態」で何が悪い、「変態」なら何もかも自己責任なのか ――「クィア」という言葉には、政府を始め、社会に対するそのような強い抵抗意識・異議申し立ての思いが込められています。

「LGBT」という言葉が、日本でも性的マイノリティの運動の場やメディアで頻繁に使われるようになりましたが、「クィア」は性に関する規範によって排除されていたり、排除される可能性がつねに身近にある人々を指す、より大きな意味の言葉です。ここにはもちろんレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの人々が多数含まれますが、これらのアイデンティティを持たない人々もまた、クィアでありえます。

最近まで、政府に対しての怒り、抵抗、異議申し立てはもうこれからの時代には不要だったり、少なくとも合わなかったりするのかな、と思っていました。なぜなら、そんなあからさまに差別的待遇をしたり、迫害するようなやり方を、政府が取らなくなっていたからです。

しかし現在第二次トランプ政権が主にトランスジェンダー当事者の権利や尊厳を思いっきり縮小あるいは消滅させようと軒並み様々な施策を行なっているのを見るにつけ、私は(特に米国において)「クィア」という態度や意気込みの重要性や緊急性、切実さが爆発的に高まっていると感じています。

クィアであるということは、しばしばとても孤独なことです。政府に見放され、家族に追い出され、地域に追いやられ、医療機関に拒絶された先人たちの歴史から生まれた言葉ですもの、当然です。私たちは自分たち自身であろうとする時に、何か大事なつながりを失うリスクを常に背負っています。

だから、私たちは繋がりましょう。集まること。生存を確認し合うこと。互いの存在を祝い合うこと。あなたには味方がいるんだと示し合うこと。その怒りは、悲しみは、孤独は、あなた一人のものではないよと慈しみ合うこと。そういったことが、私たちを今日も明日も生き延びさせてくれるし、抵抗の力を下支えしてくれるのです。

と、少し重い話をしてしまいましたが、とにかく集まって楽しく飲みましょう(ジュースもあるよ)ということです!

当日皆さんと会えるのを楽しみにしておりますー!

(ちなみに会場は古いビルでエレベーターも狭めで、店内も段差があり、客席は広くありません。何が物理的障壁になるのか、回避する方法があるかなどはもちろん人それぞれですし、私も全力で必要なヘルプをしますので、気になる人はぜひメールかDMなどでご連絡頂けたら幸いです。)

瀬戸マサキ

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