《高校生向け》小松サマースクール講演原稿
この原稿は、2016年7月29日〜8月2日に開催された小松サマースクールという高校生向け合宿イベントにおいて、私が29日の午後に参加者に向けてお話しした講演の内容です。時間の関係で省略した部分、言い方を変えた部分などもありますが、大まかには当日の内容と同じです。ところどころ「それ断言しちゃっていいの?」と疑問を挟む余地のある箇所があると思いますが、オーディエンスや持ち時間、その他の制約によるものと思ってご勘弁ください。
自己紹介
みなさんこんにちは。フリーライターのマサキといいます。
フリーライターというのは、依頼されたテーマで文章を書いたり、書いたものを自分で売り込んだりして、それが雑誌とかホームページに載ったらその都度原稿料をもらう「フリーランス」というスタイルの仕事です。言ってみれば漫画家の文章版みたいなもんです。
絵がうまい漫画が必ずしもいい漫画ではないのと同じように、日本語の力があればライターとしてお金がもらえる仕事ができるわけではありません。
それに、漫画もギャグマンガとか、恋愛もの、社会派、学園もの、ヒーローものとか色々ジャンルがありますけど、文章にも色々あって、それぞれライターには得意分野とか、文章の特徴があります。だから、ライターになりたい人は、日本語の力よりも、自分の好きなことについての知識を深めるほうが大切かもしれません。
じゃあ私のジャンルは何かと言うと、「性」です。性教育の性です。つまり、女とか男とか、レズビアンとかバイセクシュアルとか、テレビで言うオネエとか、そういうことを専門としています。私はこれを皆さんくらいの年齢から専門に学びたいと思っていて、大学でも勉強したし、大学のあとの大学院という研究する学校でも性について研究しました。
性についての研究っていうと、「男女の脳はこう違う」とか「円満な夫婦生活のコツは」とかが頭に浮かぶかもしれません。でも、私の専門はむしろ、そういう男と女について色んな人が語ってること、「女はこうだ、男はこうだ、女はこうすべき、男はこうすべき」あとは「オネエはこうだ、レズビアンはこうだとか、ゲイはこうすべき」みたいな偏見とか決め付けが、なぜ社会にはびこっているのか、いつから言われ始めたのか、どうやったらそれを無くしていけるのかについての研究をしていました。
だから、性というジャンルの中でも、私の書く文章の特徴は、性に関する偏見に対しての「ふざけんな」という怒りです。つまり、私は、怒りを言葉にする仕事をしていると思っています。